【放課後デイ】事業譲渡・承継・廃業

経営者の2025年問題?

2025年には70代の経営者が約250万人になり、そのうちの約半数が後継者がいない状況になります。事前の相続・事業承継対策をしていないと、万一、ご不幸があった際には廃業の選択肢しかなくなります。廃業するにしても残務処理・手続きが多々あり、残された者にとっては大きな負担になります。そのため、何ごとも元気なうちに、事業譲渡・事業承継・売却・譲渡・廃業に向けて早く動くことが肝要です。

最近、放課後等デイサービス・児童発達支援・就労継続支援施設の事業承継・売却・譲渡・廃業のご相談が急に増えております。これらは非常に時間がかかるだけでなく、事業承継・売却・譲渡・廃業のノウハウをもつ専門家は少ないため、いざ頼もうとしてもすぐに専門家に頼めるものでもありません。

最近よくあるケースですが、障害福祉業界で多い合同会社の場合、経営者でも亡くなられると退職扱いとなります(会社法641条1項4号例えば、放デイ・就労継続支援を自分ひとりで合同会社として立ち上げ、突然亡くなられると自動的に解散となります。

事業を継続するためには、社員が亡くなった場合でもその持分が相続人に引き継がれるように、定款に「社員が死亡した場合、その社員の相続人が持分を承継できる」という条項を追加しなければなりません。しかしながら、多くの合同会社ではこのような相続・事業承継対策が十分に行われていません。なお、株式会社の場合は、社員が亡くなってもその株式が相続人に承継されるため、事業の継続が可能となります。

事業承継がうまくいかないと

以下の問題が発生する可能性があり、利用者や従業員だけでなく、地域社会にとって大きな損失となります。

・サービスの質低下
・利用者数の減少
・職員の流出
・事業の閉鎖

円滑な承継に向けた準備

事業承継を成功させるためには、早めからの準備が不可欠です。具体的には、以下の点に留意する必要があります。

・経営理念の明確化
事業承継の目的や方向性を明確にするために、経営理念を改めて確認する必要があります。

・事業の健全化
事業承継を円滑に進めるためには、事業の健全化が重要となり、収益性の向上、コスト削減をするとともに、リスク管理などを見える化をしていく必要があります。業務の改善やITツールの導入などをにより、経営の効率化を図ることで、従業員や後継者に円滑に承継することができます。

・後継者の育成
事業承継を成功させるためには、経営理念やノウハウを継承できる人材の育成又は育成することが必要になります。

・関係者との協議
事業承継には、金融機関、職員、利用者、行政機関など、様々な関係者が関わります。円滑な承継のためには、関係者との協議を早めから進めることが重要です。M&Aであれば、事業承継を迅速に進めることができます。後継者を見つけるのに時間がかかる場合や、事業承継をスムーズに進めたい場合に有効です。一方で、職員の不安が発生する可能性があります。経営体制や雇用条件が変更される可能性があるため、職員に丁寧な説明を行うことが重要です。

最後に、障害福祉業界、とりわけ放課後等デイサービス・児童発達支援・就労継続支援施設などは少人数で運営していますので、大黒柱である経営者の影響度は計り知れません。手遅れになる前に、お早めにご相談ください!