利用定員を上回る障害児が利用をする場合、いわゆる定員超過利用については、「適正なサービスが確保されていること」かつ「災害、虐待その他のやむを得ない事情がある場合」には定員超過利用減算の対象となりません。ただし、こうしたやむを得ない事情によって、定員超過をした日であっても、「1日の利用人数が利用定員の150%を超えた」または「過去3ヶ月の利用人数の平均が、利用定員の数に3を加えて得た数を超えた」場合等は、定員超過利用減算の対象となります。
定員超過の考え方(原則)
事業所は、指定基準において利用定員を超えて、放課後等デイサービスの提供を行ってはならない。
利用定員を超過して障害児に通所支援を行うことは指定基準を満たさないことになるため、事業所においては、利用定員を超過しないよう、障害児の利用する曜日等の調整をする。
定員超過については、災害、虐待その他のやむを得ない事情がある場合は、この限りではない。事業所においては、やむを得ない事情が無く利用定員を超過している場合は、速やかに是正を図るよう努める
(※)児童福祉法に基づく指定通所支援の事業等の人員、設備及び運営に関する基準(平成24年厚生労働省令第15号)
定員超過しても定員超過減算にならない(特例対応)になるためには、以下の前提①〜③を満たしている必要があります。
特例前提①適正なサービスが確保されていること
【報酬告示の留意事項通知】
・実際の利用人数に応じた人員基準や設備基準を満たしていること
例)利用定員10人の場合で12人利用するとき、児童指導員又は保育士を3人配置すること
なお、災害の直後に必要な児童指導員等の確保ができない場合等の合理的な理由が認められる場合 は、利用定員に応じた人員基準のまま定員超過することもやむを得ないとされています。
【参考】令和3年度障害福祉サービス等報酬改定等に関するQ&A VOL.4(令和3 年5月7日)問 26
特例前提②「やむを得ない事情」に該当
①障害の特性や病状等のため欠席しがちで、定期的な利用を見込むことが難しい障害児に継続した支援を行う必要がある場合。
※利用人数が恒常的に利用定員を超えている状態でなければ、速やかに是正を図る必要はないものとされています。
② 障害児の家庭の状況や、地域資源の状況等から、当該事業所での受け入れをしないと、障害児の福祉を損ねることとなる場合。
※既存の利用者が利用をやめる際に、利用人数の調整を行うなどの方法で是正を図れば足りるものとされています。
また、指定権者において個別の事情ごとに判断しても差し支えない。
【参考】令和3年度障害福祉サービス等報酬改定等に関するQ&A VOL.4(令和3 年5月7日)問 28
特例前提③定員超過の範囲内
■1日あたりの利用実績
1日の利用者数 利用定員×150%を超えていない
定員10名なら15人を超えて受け入れていない(15人までは可能)
■直近過去3ヶ月の利用実績
過去3か月の延べ利用者数 (利用定員+3)×過去3ヶ月の開所日を超えていない
定員10名 過去3か月の開所日数が70日の場合
(利用定員+3)×過去3ヶ月の開所日=(10+3)×70=910人を超えていない
【参考】令和3年度障害福祉サービス等報酬改定等に関するQ&A VOL.4(令和 3年5月7日)問25
(厚労省通知)定員超過利用減算
定員超過利用減算
①1日あたりの利用実績が超えた場合、該当した日に利用した障害児全員につき基本報酬の30%が減算となる
②過去3か月間の利用実績が超えた場合、翌月の1か月間、利用した障害児全員に対し基本報酬の30%が減算となる
定員超過利用減算が適切に算定されておらず、障害児通所給付費が過大に支給されている事例が会計検査院の検査により確認されたことを受けて、厚生労働省通知で改めて、定員超過利用減算の算定の徹底が求められている。従って、実地指導(運営指導)において厳しく確認されることが想定される。