令和6年度の報酬改定で新設された加算項目になります。
こども家庭庁から4/22付で「個別サポート加算(Ⅲ)の延長加算の取り扱い」について追加公表されましたので追記しました。
不登校の子どもは約30万人と年々増加しており、放課後等デイサービスにおいても不登校児童を受け入れている実態を踏まえ加算対象となりました。放課後デイにおいて、不登校にある障害児について、学校及び家族等と緊密に連携を図りながら、放課後デイで支援を行った場合に算定できます。なお、学校・家族との連携が必要になりますが、連携加算などとの併用はできません。
個別サポート加算(Ⅲ) 70単位/日
※本加算は、障害児通所給付費の給付決定を受けて放課後等デイサービスを利用している障害児が、不登校の状態となっている場合における支援を対象としているものであり、不登校の状態のみをもって障害児通所給付費の対象とする趣旨のものではありません。
対象となる児童
○不登校の状態にある障害児
何らかの心理的、情緒的、身体的あるいは社会的要因・背景により、登校しないあるいはしたくともできない状況にあるため、長期間継続的もしくは断続的に欠席している児童。病気や経済的な理由による者は除く。
○不登校の状態を生じさせている要因・背景は、個々の障害児により様々であり、複数の要因・背景により生じている場合や、障害児の置かれている環境等により異なるものであると考えられる。そのため、本加算の対象になるか否かは、個々の障害児の登校しない、登校できない状況等を踏まえながら、学校・家庭・事業所の三者の共通理解の下で判断する。
○本加算は、保護者の同意を得て算定するもの。あらかじめ、市町村において通所給付決定時に対象か否かを決定するものではなく、受給者証に印字することは不要。
算定要件
○あらかじめ保護者の同意を得ること
○個別支援計画に位置付けて学校と連携して作成し、計画的に実施して相談内容の記録を行うこと
○学校との情報共有を対面又はオンラインで月に1回以上行うこと。(※関係機関連携加算(I)(II)の算定併用は不可)
○家族への相談援助(居宅への訪問、対面、オンラインいずれの方法でも可)を月に1回以上行うこと。障害児や家族の意向、状況の把握と、支援の実施状況等の共有を行い、その要点について記録を行うこと(※当該相談援助について家族支援加算の算定は不可)
○学校との情報共有において、障害児の不登校の状態について確認を行い、障害児等の状態や登校状況等を考慮した上で、学校と事業所との間で本加算による支援の継続の要否について検討を行うこと(その結果、本加算による支援を終える場合であっても、その後の支援において学校との連携に努めること)
○市町村(教育担当部局又は障害児支援担当部局)から、報酬の請求に係る審査を行う際に、必要に応じて、請求を行う事業所に対して家庭や学校との連携状況や、障害児への支援の状況等について確認をする。事業者は市町村からの確認があったときは、当該状況等について回答すること。
延長支援加算の取り扱い(子ども家庭庁4/22付追加公表)
○本加算を算定している場合には、学校の授業時間帯に「計画時間や延長支援時間」を個別支援計画に位置付け可能。延長支援時間は計画時間前後に設定することも可能。
○ 授業時間帯において、個別支援計画に計画時間を位置づけることも可能。この場合、計画時間を3時間超過した以降の時間帯が延長支援時間となる。
○ 学校や家庭との連携が図られていない状況下で、授業時間帯に、発達支援や延長支援が提供されることは想定していないため、授業時間帯に、計画時間や延長支援時間を個別支援計画に位置づけることが必要な状況が生じている場合には、学校及び家庭と必要な連携を図り、本加算の枠組みの下で支援を進めるように取り組む。
(出所)こども家庭庁 事務連絡「個別サポート加算(Ⅲ)の創設と取り扱いについて」(R6/4/22)
障害児への支援について
○まずは、障がい児本人の気持ちに寄り添いながら、放課後等デイサービスでの活動等を通じて、こどもの自己肯定感を高めていくことが重要である。そのため、学校や家族からの情報も踏まえてアセスメントを行い、登校しないあるいはしたくてもできない状況が生じている要因や背景について把握・分析を行い、個々のニーズに応じて必要な支援(例えば、障害児の本人の抱える不安の解消、社会的コミュニケーションを図る等) を個別支援計画に位置付けた上で、計画的に支援を進めること。また、学校や家庭と連携を図る際には、放課後等デイサービスでの支援の実施状況や障害児本人の変化等を共有しながら支援を進めること。
○なお、不登校の状態にある場合であっても、障害児の学びの場を確保し、学びたいと思った時に学べる環境を整えることも重要であるため、こども本人の意思を尊重するとともに、学校や家庭と連携を図りながら、必要な対応や方策の検討を行うこと。その際、学校は、様々な制度や公的な支援により質の担保された教育機関であり、学校教育を受ける機会を得られないことにより、将来にわたって社会的自立を目指す上でリスクが存在することを踏まえ、安易に不登校の状態が継続することの無いよう留意すること。