児童発達支援と放課後デイにおける5領域は、多くの点で共通しています。いずれの領域でも、子どもの健全な発達と社会適応を目指し、包括的な支援が行われています。5領域の各領域のねらいや支援内容は概ね共通しております。
しかしながら、子どもの成長に伴う発達段階の違いから、ねらいや支援内容について相違点もあります。児童発達支援では、未就学児を対象とした基礎的な生活習慣の形成やの基礎的スキル・能力の習得が強調されております。一方で、放課後デイでは、学齢期の子どもを対象にした学習支援や社会参加の機会の提供が重視された形になっております。
以下は、児童発達支援ガイドラインと放課後デイガイドライン※において示されている、5領域について比較してまとめたものになります。◎は共通しているものです。
(※放課後デイガイドラインの内容はR6年3月の素案ベース。正式に改定され次第、修正予定)
健康・生活
①ねらいの比較
児童発達支援 | 放課後デイ |
◎健康状態の維持・改善 | |
◎生活のリズムや生活習慣の形成 | |
・基本的生活スキルの獲得 | ・病気の状態の理解と生活管理 |
ー | ・身体各部の状態の理解と保護 |
ー | ・障害の特性の理解と生活環境の調整 |
ー | ・生活におけるマネジメントスキルの獲得 |
②支援内容の比較
児童発達支援 | 放課後デイ |
◎健康状態の把握 | |
◎構造化等により生活環境を整える | |
・健康の増進 | ・健康状態の維持・改善 |
・基本的生活スキルの獲得 | ・生活リズムや生活経験の形成 |
・リハビリテーションの実施 | ・生活におけるマネジメントスキルの獲得 |
ー | ・病気の状態の理解と生活管理 |
ー | ・身体各部の状態の理解と保護 |
ー | ・障害の特性の理解と生活環境の調整 |
運動・感覚
①ねらいの比較
児童発達支援 | 放課後デイ |
・姿勢と運動・動作の向上 | ・姿勢と運動・動作の基本的技能 |
・姿勢と運動・動作の補助的手段の活用 | ・姿勢保持と運動・動作の補助的手段の活用 |
・保有する感覚の総合的な活用 | ・日常生活に必要な基本動作 |
ー | ・身体の移動能力 |
ー | ・保有する感覚の活用 |
ー | ・感覚の補助及び代行手段の活用 |
ー | ・感覚を総合的に活用した周囲の状況につい ての把握と状況に応じた行動 |
②支援内容の比較
児童発達支援 | 放課後デイ |
◎姿勢と運動・動作の基本的技能の向上 | |
◎姿勢保持と運動・動作の補助的手段の活用 | |
◎身体の移動能力の向上 | |
◎保有する感覚の活用 | |
◎感覚の補助及び代行手段の活用 | |
・感覚の特性(感覚の過敏や鈍麻)への対応 | ・感覚を総合的に活用した周囲の状況に ついての把握と状況に応じた行動 |
ー | ・日常生活等に必要な基本動作 |
認知・行動
①ねらいの比較
児童発達支援 | 放課後デイ |
◎対象や外部環境の適切な認知と適切な行動の習得 | |
・認知の発達と行動の習得 | ・感覚や認知の特性についての理解と対応 |
・空間・時間、数等の概念形成の習得 | ・認知や行動の手掛かりとなる概念の形成 |
②支援内容の比較
児童発達支援 | 放課後デイ |
◎認知や行動の手掛かりとなる概念の形成 | |
◎行動障害への予防及び対応 | |
・感覚や認知の活用 | ・感覚や認知の特性についての理解と対応 |
・知覚から行動への認知過程の発達 | ー |
・大小、色、数量等の習得 | ー |
・認知の偏りへの対応 | ー |
言語・コミュニケーション
①ねらいの比較
児童発達支援 | 放課後デイ |
◎言語の形成と活用 | |
◎言語の受容及び表出 | |
◎コミュニケーション手段の選択と活用 | |
◎コミュニケーションの基礎的能力の向上 | |
ー | ・状況に応じたコミュニケーション |
②支援内容の比較
児童発達支援 | 放課後デイ |
◎言語の形成と活用 | |
◎手話、点字、音声、文字等のコミュニケーション手段の活用 | |
・受容言語と表出言語の支援 | ・言語の受容と表出 |
・人との相互作用によるコミュニケー ション能力の獲得 | ・コミュニケーションの基礎的能力の向上 |
・指差し、身振り、サイン等の活用 | ・状況に応じたコミュニケーション |
・読み書き能力の向上のための支援 | ー |
・コミュニケーション機器の活用 | ー |
人間関係・社会性
①ねらいの比較
児童発達支援 | 放課後デイ |
◎他者との関わり(人間関係)の形成 | |
◎自己の理解と行動の調整 | |
◎仲間づくりと集団への参加 | |
ー | ・他者の意図や感情の理解 |
ー | ・情緒の安定 |
②支援内容の比較
児童発達支援 | 放課後デイ |
・アタッチメント(愛着行動)の形成 | ・安定したアタッチメントの支援 |
・模倣行動の支援 | ・情緒の安定 |
・感覚運動遊びから象徴遊びへの支援 | ・他者との関わり(人間関係)の形成 |
・一人遊びから協同遊びへの支援 | ・他者の意図や感情の理解 |
・自己の理解とコントロールのための支援 | ・自己の理解と行動の調整 |
・集団への参加への支援 | ・仲間づくりと集団への参加 |
児童発達支援ガイドライン(5領域抜粋)
①健康・生活
a ねらい
・健康状態の維持・改善
・生活のリズムや生活習慣の形成
・基本的生活スキルの獲得
b 支援内容
・健康状態の把握
健康な心と体を育て自ら健康で安全な生活を作り出すこと を支援する。また、健康状態の常なるチェックと必要な対応 を行う。その際、意思表示が困難である子どもの障害の特性 及び発達の過程・特性等に配慮し、小さなサインから心身の異変に気づけるよう、きめ細かな観察を行う。
・健康の増進
睡眠、食事、排泄等の基本的な生活のリズムを身に付けられるよう支援する。また、健康な生活の基本となる食を営む力の育成に努めるとともに、楽しく食事ができるよう、口腔内機能・感覚等に配慮しながら、咀嚼・嚥下、姿勢保持、自助具等に関する支援を行う。さらに、病気の予防や安全への配慮を行う。
・リハビリテーションの実施
日常生活や社会生活を営めるよう、それぞれの子どもに適した身体的、精神的、社会的訓練を行う。
・基本的生活スキルの獲得
身の回りを清潔にし、食事、衣類の着脱、排泄等の生活に必要な基本的技能を獲得できるよう支援する。
・構造化等により生活環境を整える
生活の中で、さまざまな遊びを通して学習できるよう環境を整える。 また、障害の特性に配慮し、時間や空間を本人に分かりやすく構造化する。
②運動・感覚
a ねらい
・姿勢と運動・動作の向上
・姿勢と運動・動作の補助的手段の活用
・保有する感覚の総合的な活用
b 支援内容
・姿勢と運動・動作の基本的技能の向上
日常生活に必要な動作の基本となる姿勢保持や上肢・下肢 の運動・動作の改善及び習得、関節の拘縮や変形の予防、筋力の維持・強化を図る。
・姿勢保持と運動・動作の補助的手段の活用
姿勢の保持や各種の運動・動作が困難な場合、姿勢保持装置など、様々な補助用具等の補助的手段を活用してこれらができるよう支援する。
・身体の移動能力の向上
自力での身体移動や歩行、歩行器や車いすによる移動など、日常生活に必要な移動能力の向上のための支援を行う。
・保有する感覚の活用
保有する視覚、聴覚、触覚等の感覚を十分に活用できるよう、遊び等を通して支援する。
・感覚の補助及び代行手段の活用
保有する感覚器官を用いて状況を把握しやすくするよう眼鏡や補聴器等の各種の補助機器を活用できるよう支援する。
・感覚の特性(感覚の過敏や鈍麻)への対応
感覚や認知の特性(感覚の過敏や鈍麻)を踏まえ、感覚の偏りに対する環境調整等の支援を行う。
③認知・行動
a ねらい
・認知の発達と行動の習得
・空間・時間、数等の概念形成の習得
・対象や外部環境の適切な認知と適切な行動の習得
b 支援内容
・感覚や認知の活用
視覚、聴覚、触覚等の感覚を十分活用して、必要な情報を収集して認知機能の発達を促す支援を行う。
・知覚から行動への認知過程の発達
環境から情報を取得し、そこから必要なメッセージを選択し、行動につなげるという一連の認知過程の発達を支援する。
・認知や行動の手掛かりとなる概念の形成物の機能や属性、形、色、音が変化する様子、空間・時間 等の概念の形成を図ることによって、それを認知や行動の手掛かりとして活用できるよう支援する。
・数量、大小、色等の習得 数量、形の大きさ、重さ、色の違い等の習得のための支援を行う。
・認知の偏りへの対応
認知の特性を踏まえ、自分に入ってくる情報を適切に処理できるよう支援し、認知の偏り等の個々の特性に配慮する。 また、こだわりや偏食等に対する支援を行う。
・行動障害への予防及び対応
感覚や認知の偏り、コミュニケーションの困難性から生ずる行動障害の予防、及び適切行動への対応の支援を行う。
④言語・コミュニケーション
a ねらい
・言語の形成と活用
・言語の受容及び表出
・コミュニケーションの基礎的能力の向上
・コミュニケーション手段の選択と活用
b 支援内容
・言語の形成と活用
具体的な事物や体験と言葉の意味を結びつける等により、 体系的な言語の習得、自発的な発声を促す支援を行う。
・受容言語と表出言語の支援
話し言葉や各種の文字・記号等を用いて、相手の意図を理解したり、自分の考えを伝えたりするなど、言語を受容し表出する支援を行う。
・人との相互作用によるコミュニケーション能力の獲得
個々に配慮された場面における人との相互作用を通して、 共同注意の獲得等を含めたコミュニケーション能力の向上の ための支援を行う。
・指差し、身振り、サイン等の活用
指差し、身振り、サイン等を用いて、環境の理解と意思の伝達ができるよう支援する。
・読み書き能力の向上のための支援
発達障害の子どもなど、障害の特性に応じた読み書き能力の向上のための支援を行う。
・コミュニケーション機器の活用
各種の文字・記号、絵カード、機器等のコミュニケーション手段を適切に選択、活用し、環境の理解と意思の伝達が円滑にできるよう支援する。
・手話、点字、音声、文字等のコミュニケーション手段の活用
手話、点字、音声、文字、触覚、平易な表現等による多様 なコミュニケーション手段を活用し、環境の理解と意思の伝 達ができるよう支援する。
⑤人間関係・社会性
a ねらい
・他者との関わり(人間関係)の形成
・自己の理解と行動の調整
・仲間づくりと集団への参加
b 支援内容
・アタッチメント(愛着行動)の形成
人との関係を意識し、身近な人と親密な関係を築き、その信頼関係を基盤として、周囲の人と安定した関係を形成する ための支援を行う。
・模倣行動の支援
遊び等を通じて人の動きを模倣することにより、社会性や対人関係の芽生えを支援する。
・感覚運動遊びから象徴遊びへの支援
感覚機能を使った遊びや運動機能を働かせる遊びから、見立て遊びやつもり遊び、ごっこ遊び等の象徴遊びを通して、 徐々に社会性の発達を支援する。
・一人遊びから協同遊びへの支援
周囲に子どもがいても無関心である一人遊びの状態から並行遊びを行い、大人が介入して行う連合的な遊び、役割分担 したりルールを守って遊ぶ協同遊びを通して、徐々に社会性の発達を支援する。
・自己の理解とコントロールのための支援
大人を介在して自分のできること、できないことなど、自分の行動の特徴を理解するとともに、気持ちや情動の調整ができるように支援する。
・集団への参加への支援
集団に参加するための手順やルールを理解し、遊びや集団活動に参加できるよう支援する。
放課後デイガイドライン(5領域抜粋)素案ベース
①健康・生活
a ねらい
・健康状態の維持・改善
・生活のリズムや生活習慣の形成
・病気の状態の理解と生活管理
・身体各部の状態の理解と保護
・障害の特性の理解と生活環境の調整
・生活におけるマネジメントスキルの獲得
b 支援内容
・健康状態の把握
健康な心と体を育て自ら健康で安全な生活を作り出すことを支援する。また、健康状態の常なるチェックと必要な対応を行う。その際、意思表示が困難であるこどもの障害の特性及び発達の過程・特性等に配慮し、小さなサインから心身の異変に気づけるよう、きめ細かな観察を行う。
・健康状態の維持・改善
障害により運動量が少なくなったり、体力が低下したりすることを防ぐために、日常生活における適切な健康の自己管理ができるように支援する。
・生活リズムや生活経験の形成
睡眠、食事、排泄等の基本的な生活習慣を形成し、健康状態の維持・改善に必要な生活リズムを身につけられるよう支援する。また、衣服の調節、室温の調節や換気、感染予防など、健康な生活環境への配慮を行う。
・病気の状態の理解と生活管理
医療機関や保護者と連携を図りながら、自分の病気の状態を理解し、病気の状態を維持・改善をしていくため、自分の生活を自ら管理することができる力を育てていけるよう支援する。
・身体各部の状態の理解と保護
発達の段階に応じて、身体各部の状態や補助機器を用いる際の留意点等を理解し、自らその部位を適切に保護する力を育てていけるよう支援する。
・障害の特性の理解と生活環境の調整
自らの障害にどのような特性があるのか理解し、それらがおよぼす生活上の困難について理解を深め、その状況に応じて、自己の行動や感情を調整したり、他者に対して主体的に働きかけたりして、より学習や生活をしやすい環境にしていくための支援をする。
・構造化等により生活環境を整える
生活の中で、様々な遊びや体験の機会が適切に得られるよう環境を整える。また、障害の特性に配慮し、時間や空間を本人に分かりやすく構造化する。
・生活におけるマネジメントスキルの獲得
自分で何をするかアイデアを出しながら、自分の生活をマネジメントすることができるよう、こどもの意向を受け止めながら、自分で組み立ててできる行動を増やしていけるよう支援する。
②運動・感覚
a ねらい
・姿勢と運動・動作の基本的技能
・姿勢保持と運動・動作の補助的手段の活用
・日常生活に必要な基本動作
・身体の移動能力
・保有する感覚の活用
・感覚の補助及び代行手段の活用
・感覚を総合的に活用した周囲の状況についての把握と状況に応じ た行動
b 支援内容
・姿勢と運動・動作の基本的技能
日常生活に必要な動作の基本となる姿勢保持や上肢・下肢の運動・動作の改善及び習得、関節の拘縮や変形の予防、筋力の維持・強化を図ることなどの基本的技能に関することを支援する。
・姿勢保持と運動・動作の補助的手段の活用
姿勢の保持や各種の運動・動作が困難な場合、様々な補助用具等の補助的手段を活用してこれらができるよう支援する。
・日常生活等に必要な基本動作
食事、排泄、衣服の着脱、洗面、入浴など日常生活に必要な基本動作や、活動する上で必要な基本動作を身につけることができるよう支援する。
・身体の移動能力の向上
自力での身体移動や歩行、歩行器や車いすによる移動など、日常生活に必要な移動能力や、事業所外での移動や交通機関の利用など、社会的な場面における移動能力の向上が図られるよう支援する。
・保有する感覚の活用
個々の感覚の状態とその活用の仕方を把握した上で、保有する視覚、聴覚、触覚、嗅覚、固有覚、前庭覚などの感覚を活動を通じて十分に活用できるよう支援する。
・感覚の補助及び代行手段の活用
障害の状態や発達の段階、興味関心に応じて、将来の社会生活等に結び付くように、保有する感覚を用いて状況を把握しやすくするよう各種の補助機器や ICT を活用及び、他の感覚や機器での代行が的確にできるように支援する。
・感覚を総合的に活用した周囲の状況についての把握と状況に応じた行動
視覚、聴覚、触覚などの保有するいろいろな感覚やその補助及び代行手段を総合的に活用して、情報を収集したり、環境の状況を把握したりして、的確な判断や行動ができるよう支援する。
③認知・行動
a ねらい
・認知の発達と行動の習得
・空間・時間、数等の概念形成の習得
・行動障害への予防及び対応
b 支援内容
・感覚や認知の特性についての理解と対応
一人一人の感覚や認知の特性を理解し、それらを踏まえ、自分に入ってくる情報を適切に処理できるようにするとともに、特に自己の感覚の過敏さや認知の偏りなどの特性について理解し、適切に対応できるよう支援する。
・認知や行動の手掛かりとなる概念の形成
物の機能や属性、形、色、音が変化する様子、空間・時間等の概念の形成を図ることによって、それを認知や行動の手掛かりとして活用できるよう支援する。
・行動障害への予防及び対応
感覚や認知の偏り、コミュニケーションの困難性から生ずる行動障害の予防、及び適切行動への対応の支援を行う。
④言語・コミュニケーション
a ねらい
・コミュニケーションの基礎的能力の向上
・言語の受容と表出
・言語の形成と活用
・コミュニケーション手段の選択と活用
・状況に応じたコミュニケーション
b 支援内容
・コミュニケーションの基礎的能力の向上
障害の種別や程度、興味・関心等に応じて、言葉によるコミュニケーションだけでなく、表情や身振り、各種の機器などを用いて意思のやりとりが行えるようにするなど、コミュニケーションに必要な基礎的な能力を身に付けることができるよう支援する。
・言語の受容と表出
話し言葉や各種の文字・記号等を用いて、相手の意図を受け止めたり、自分の考えを伝えたりするなど、言語を受容し表出することができるよう支援する。
・言語の形成と活用
コミュニケーションを通して、事物や現象、自己の行動等に対応した言語の概念の形成を図り、体系的な言語を身に付けることができるよう支援する。
・コミュニケーション手段の選択と活用
障害の特性及び心身の発達段階等に応じて、話し言葉や各種の文字・記号、絵カード、機器等の適切なコミュニケーション手段を選択・活用し、他者とのコミュニケーションが円滑にできるよう支援する。
・状況に応じたコミュニケーション
コミュニケーションを円滑に行うためには、伝えようとする側と受け取る側との人間関係や、そのときの状況を的確に把握することが重要であることから、場や相手の状況に応じて、主体的にコミュニケーションを展開できるよう支援する。
・手話、点字、音声、文字等のコミュニケーション手段の活用
音声言語によるコミュニケーションだけでなく、手話、点字、音声、文字、触覚、平易な表現等による多様なコミュニケーション手段を活用し、環境の理解と意思の伝達ができるよう支援する。
⑤人間関係・社会性
a ねらい
・他者との関わり(人間関係)の形成
・他者の意図や感情の理解
・自己の理解と行動の調整
・仲間づくりと集団への参加
・情緒の安定
b 支援内容
・他者との関わり(人間関係)の形成
人に対する基本的な信頼感をもち、他者からの働き掛けを受け止め、それに応ずることができるように支援する。
・他者の意図や感情の理解
他者の意図や感情を理解し、場に応じた適切な行動をとることができるように支援する。
・自己の理解と行動の調整
自分のできることや苦手なことなど、自分の行動の特徴などを理解し、自己を肯定的に捉えられる機会を通じて、気持ちや情動を調整し、状況に応じた行動ができるように支援する。
・仲間づくりと集団への参加
集団の雰囲気に合わせたり、集団での決まり等を理解したりして、遊びや集団活動などに積極的に参加できるように支援するとともに、共に活動することを通じて、相互理解や互いの存在を認め合いながら、仲間づくりにつながるよう支援する。
・情緒の安定
自身の感情、気持ち、生理的な状態像への気づきや関心を持ち、その変化の幅を安定させることに興味を持てるように援助し、変化の幅が小さく安定した情緒の下で生活ができるよう支援する。
・安定したアタッチメントの支援
自身の感情が崩れたり、不安になった際に、大人が相談等にのることで、安心感を得たり、自分の感情に折り合いをつけたりできるよう「安心の基地」の役割を果たせるよう支援する。