【高齢者終身ガイドライン】事業者の体制に関する留意事項

高齢者等終身サポートのニーズの更なる増加が見込まれることから、適正な事業運営の確保や、利用者が安心して利用できる環境を整備していくことが必要のため、関係省庁※横断で、事業者が遵守すべき法律上の規定や留意すべき事項等を整理し、『高齢者等終身サポート事業者ガイドライン』が策定されました。

高齢者等終身サポート事業者は、契約に際して民法や消費者契約法に基づいた民事ルールを遵守する必要があり、ガイドラインにて具体例が提示されています。

この記事では、高齢者等終身サポート事業者ガイドラインの第4章に提示されている「事業者の体制に関する留意事項」をわかりやすく記載しています。


第4 事業者の体制に関する留意事項

1. 情報開示について

高齢者等終身サポート事業については、判断能力の低下が懸念される高齢者を主な対象としており、契約期間が長期間にわたることやサービス内容が多岐にわたることなどの特徴があります。利用者が安心してサービスを利用できるように、高齢者等終身サポート事業者は、サービス提供前に、事業者に関する情報や提供するサービス内容などについて、事業者のホームページ等で公表しておくことが重要です。

具体的には、以下の事項を公表することが考えられます:
1)高齢者等終身サポート事業者の基本情報(組織、人員体制等)・財務諸表に関する情報
2)提供しているサービス内容や費用
※ 包括的に示すのではなく、入会金や預託金などを区分して示し、サービスごとの内訳や利用する場面を、利用者が理解しやすいように記載することが望ましいです。
3)費用の支払方法
4)サービスを利用できない者
5)提供しているサービスの履行状況を確認する方法
6)契約変更や解約の事由・手続き
7)契約変更や解約時の返金に関する取扱い
※ 費用ごとに区分して記載されていることが望ましいです。
8)預託金の管理方法等
9)寄附や遺贈に関する取扱い方針
10)個人情報の取扱い方針と管理体制
11)相談対応体制・連絡先

なお、契約期間が長期間にわたり、サービス内容が多岐にわたることから、各サービスと費用の関係や解約時のルールなど、利用者との契約内容は複雑になりやすいと考えられます。このため、検討に資するように、第2 1(1)に例示される事項について、利用者一般に共通する規程や約款をあらかじめ作成し、ホームページ等で公表しておくことが望ましいです。

2. 個人情報の適正な取扱い

高齢者等終身サポート事業を提供する際には、利用者本人の個人情報(要配慮個人情報を含む)やプライバシーに関わる情報を多く取り扱うこととなります。

個人情報取扱事業者は、以下の点を守らなければなりません:

  • 個人情報を取り扱う際には、利用目的をできる限り特定し、あらかじめ個人情報を第三者に提供する場合は、その旨を明確に特定する必要があります(個人情報の保護に関する法律第17条第1項)。また、個人情報を取得した場合は、あらかじめ利用目的を公表している場合を除き、速やかに利用者本人に通知し、または公表しなければなりません(同法第21条第1項)。
  • 個人データの漏洩、滅失、毀損を防止し、その他の個人データの安全管理措置を講じなければなりません(同法第23条)。また、従業者の監督や委託先の監督も行わなければなりません(同法第24条、第25条)。
  • 要配慮個人情報が含まれる場合には、漏洩や漏洩のおそれがある場合、個人情報保護委員会への報告及び本人への通知を行わなければなりません(同法第26条、施行規則第7条)。

これらに基づく対応が必要であり、個人データの適正な取扱いを確保するために、組織として基本方針を策定することも重要です。

個人情報保護についての詳細は、「個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン」や「自己点検チェックリスト」を参照し、対応されることをお勧めします。

3. 事業継続のための対策

高齢者等終身サポート事業は契約期間が長期にわたるため、不測の事態が発生した場合でもサービスを継続的に提供できるよう取り組むことが重要です。

そのため、事業継続のための対策として、災害等が発生した場合の事業継続計画や、事業を清算する場合の対応方針をあらかじめ定めておくことが望ましいです。

4. 相談窓口の設置

高齢者等終身サポート事業については、契約が長期間にわたるため、利用者側の事情変更が考えられ、契約内容をめぐるトラブルが発生することが予想されます。

そのため、事業者は利用者からの相談を一元的に対応できる窓口を設置し、その連絡先を事業者のホームページや重要事項説明書に記載することが望ましいです。

さらに、事業者は適切なサービスを提供するために、職員が関連制度等に関する理解を深めるための研修を設けることが望ましいです。