放課後デイ【開業】開設・立ち上げわかりやすく

児童発達支援施設、放課後等デイを開業・開設するまでに、最低でも約3ヶ月はかかります(指定申請書提出は指定日の2ヶ月前に提出必要、審査に約1ヶ月間)。開業までに約半年ほどの期間を考えて、余裕をもって動いていきましょう!以下は、児童発達支援施設、放課後等デイの開業までの流れです。

6ヶ月前5ヶ月前4ヶ月前3ヶ月前2ヶ月前1ヶ月前開 設
 法人設立 申請準備開始  指定申請
指定権者に
事前相談
指定申請書
提出
利用者
募集
    不動産契約
   責任者募集・採用職員募集・採用

開業資金の目安

放課後デイの開業資金は、どこまでこだわるか、こだわらないかで大きく変動します。できるだけ開業資金を少なめにしてスタートするにしても約800万円くらいかかり、標準的な目安としては約1,600万くらいは確保して置く必要があります。

【障害福祉業務(放課後デイ)ならではのポイント】

・開業前の家賃が約3ヶ月分も必要(指定申請をする前に不動産契約が必要なため)
・入金が約3ヶ月も遅れる(国保連からの給付金の入金が翌々月中旬なため)

開業資金の詳しい内訳の説明は→こちら

法人設立(法人格)

 ○ 株式会社、合同会社、NPO法人など法人格が必要

 × 個人事業主は開設できません。

放課後等デイサービスの法人格を調べてみたところ、株式会社約4割、合同会社約2割、NPO法人1割、社会福祉法人約1割、一般社団法人1割、その他(医療法人、財団法人等)で、株式会社が最も多く選ばれています。

障害福祉サービスを提供する法人を設立する際、定款には、提供するサービス内容に応じた事業目的を記載する必要があります。これは、法人の設立目的を明確にし、その目的の範囲内でしか事業を行えないようにするためです。

例えば、児童発達支援施設や放課後等デイサービスの指定申請を行う場合、定款の目的に「児童福祉法に基づく障害児通所支援事業」の記載がなければ、申請が受理されません。今後の事業拡大の可能性を考慮し、最初から幅広い事業目的を記載しておくことも検討しましょう。

施設定款の記載例
児童発達支援、放課後等デイサービス
保育所等訪問支援
児童福祉法に基づく障害児通所支援事業
障害児相談支援児童福祉法に基づく障害児相談支援事業
就労移行支援・継続支援・定着支援
居宅介護、生活介護、短期入所
生活援助
障害者総合支援法に基づく障害 福祉サービス事業
計画相談支援障害者総合支援法に基づく特定相談支援事業
地域移行支援、地域定着支援障害者総合支援法に基づく一般 相談支援事業

物件・不動産(設備)

  • 発達支援室(利用者1人2.47㎡→10人定員24.7㎡以上)30㎡以上の自治体も多い
    子どもの支援を行うためのスペース
  • 相談室・静養室(プライバシーが確保できること)
    保護者等を応接するためのスペース。独立した部屋またはパーテーションの設置
  • 洗面所・トイレ
  • 事務室は(鍵付き書庫)特に広さの指定はありません

■建築基準法に違反していないか確認(施設200㎡以下の場合)

  • 特殊建築物にあたりますので、建築完了時に完了検査時に交付された「検査済証」「確認済証」の写しを各自治体に提出する必要があります。
    • 都市局 建築指導部 建築確認課 などです
  • 不動産仲介会社を通して、「検査済証」「確認済証」があることを確認しましょう。

■消防法に違反していないか確認(消防設備)

  • 「特定防火対象物(6)項ハ」に該当し、主に必要な設備としては、避難誘導灯・カーテン等の防炎措置消化器等になる。テナントに入る場合は、取り扱いが複雑となるため慎重に確認する必要があるため消防署に相談しましょう。消防署員が立ち会い、消防設備などを確認します。
  • まずは、所管消防署の予防課へ相談しましょう。
  • 建物使用開始4日前までに、「防火対象物使用開始(内容変更)届出書」を所管消防署長に届出

以上が基準になりますが、放課後デイだからこそ、利用者にとって安全で快適な空間となるように、バリアフリー設計やユニバーサルデザイン・構造化を意識したレイアウト・設備を目指しましょう。

人員基準(児発管・保育士等)

定員10名以下の場合

  • 管理者 1人(兼務可能)
  • 児童発達支援管理責任者 1人(★専任かつ常勤)
    管理者とのみ兼務可能。複数のサービスを一体的に行う多機能型事業所は、管理者との兼務のほか、他のサービスの児童発達支援管理責任者やサービス管理責任者との兼務が可能です。
  • 保育士・児童指導員等 2人以上(★専任かつ1人は常勤)
    専任の児童指導員・保育士・機能訓練職員等 常に2人以上
    うち児童指導員又は保育士 常勤 1人以上

    ※「サービス提供時間内」に従業者2人以上の配置が原則であるが、指定権者(自治体)によっては「営業時間内」に従業者2人以上の配置が求められることもあるので、事前に指定権者に確認が必要です。
    ※休憩・送迎の職員は、その時間は当該職員は配置されていないものとみなされます(人員カウントされません)。
専任(専従)
(当該業務のみ専念)
兼務
(同時並行で他業務に従事)
常勤
(所定労働時間以上)
★専任かつ常勤
当該業務に専念&
所定労働時間以上
兼務かつ常勤
他業務にも従事&
所定労働時間以上
非常勤
(所定労働時間未満)
専任かつ非常勤
当該業務に専念&
所定労働時間未満
兼務かつ非常勤
他業務にも従事&
所定労働時間未満

運営規程の策定

事業所ごとに、重要事項に関する運営規程を定める必要があります。

  • 事業の目的及び運営の方針
  • 営業日・営業時間
  • 利用定員
  • 利用者の費用の種類・金額
  • サービス提供内容
  • サービスの利用の留意事項
  • 緊急時対応
  • 非常災害対策
  • 虐待防止措置 など 

指定申請書類の収集

放課後等デイサービスなどの障害福祉施設を開業・立ち上げするためには、法人を設立し、不動産物件を探すとともに、指定申請書類の準備をしていく必要があります。また並行して、指定権者と事前相談をして、内容や疑問点について相談したほうが賢明です。開業日から4ヶ月前までに初回相談をすることが少なくないです。

当初、自分自身で指定申請をしようと思った方も、やり始めると指定申請書類がたくさんありすぎて、申請のプロである行政書士に依頼する方が少なくありません。

例えば、以下は札幌市の児童発達支援、放課後等デイサービス指定申請の一覧になります。

ざっと30種類以上も。。。

書類は、写し不可とか、原本不可とか、原則原本でも写しでも可とか。

しっかり準備をしていないと何度も集め直し、やり直しになり、開業時期も遅れてしまいます。

不動産も申請書類の目処が立てば、事前予約を入れて相談・書類の確認をしましょう。

放デイ等の指定申請書類等の準備・作成には、大変な手間と時間がかかりますので、仕事をしている方などは行政書士におまかせすることをお勧めします。

申請書類留意点
提出書類チェック表提出する書類一覧のチェック表
指定申請書事業所ごとに作成
付表サービスごとに作成
運営規程事業所ごとに運営の重要事項を定める
添付資料、参考資料参考資料は様式があります
事業開始届事業所ごとに作成
報酬算定等に係る体制届書加算を算定しない場合も必要
申請書類は正本(市役所提出用)及び副本(事業者保管用)をそれぞれ1部
※複数サービスの指定を同時申請→申請書類を1つにまとめて作成可(児発+放デ)

指定申請書類の提出

開業する予定の事業所が、指定権者(自治体)の指定基準を満たしていることを証明するための書類等を準備して、提出します。

提出前に事前協議が必要な指定権者が多いので、早めに確認を取り、予約を取りましょう。遅くても開業希望月の3か月前までに担当窓口に連絡して、予約を取り、開業の相談をしておきましょう。

書類の提出期日は、指定権者によって異なりますが、開業希望月の2か月前の末日を期日としていることが多いです。

申請書類の形式不備がなければ、受理してもらえ、書類の内容の審査に入ります。審査には1ヶ月〜2ヶ月の期間がかかります。

指定申請書類を提出した後、施設の現地確認・立会検査が行われます。現地確認・立ち会い検査では、設備上の基準などを満たしているかチェックされます。管理者または児童発達支援管理責任者などの立会いが必要になります。

指定申請の受理・審査・現地確認

提出した申請書類をあらためて確認して審査されます。必要に応じて、差し替え・追加などの補正の指示があることがあります。

審査の過程で現地確認があります。
○設備基準に基づく要件・消防法・建築基準法遵守等に重点を置いて確認
○配置予定の従業者が指定申請通りかどうかを確認
※現地確認、当日は管理者・児童発達支援管理責任者、配置予定の従業者の立ち会いを求める指定権者もあり、その際に本人確認書類、雇用契約書など提示する必要があります。

指定権者の審査が完了すると、「指定」の通知が送付されてきます。指定日の前月下旬に送付されてきて、1日付の指定となることが多いです。指定を受け次第、営業予定開始日より営業を開始できます。

開業日が決まったら、開業日に向けて、利用者の募集をしましょう。 すぐに募集をかけれるように、
事業所を紹介するホームページ、パンフレット、SNSなどは可能な限り事前に作成しておきましょう。事業所の説明会・見学会、近隣の保育所・小学校、障害児相談支援施設等への訪問も行いましょう。

開業(施設開設)!

・支援プログラム策定・届出(減算率15%)
・WAMNETへの登録(情報公表未報告減算:減算率5%)
・従業員への業務研修(虐待防止措置 減算率1%・身体拘束廃止 減算率1%)
・業務継続計画(減算率1%)
・防災訓練
・国保連請求書類の確認(指定後に送付されてくる)

【ご参考】指定申請書等(札幌市の場合)

●・・・写し不可 ■・・・原本不可 ▲・・・原則は原本。但し、写しでも可

◆・・・申請者作成書類で、押印が不要な書類

様式第1号 指定申請書 
申請書の別紙 提出する申請書・付表様式一覧チェック表 
付表2 児童発達支援事業の指定に係る記載事項 
付表4 放課後等デイサービスの指定に係る記載事項 
▲添付資料 法人の登記事項証明書又は条例等 
▲添付資料 参考様式1 平面図、写真及び事業所の位置がわかる地図 
◆添付資料 参考様式2 経歴書(管理者・児童発達支援管理責任者・相談支援専門員) 
◆添付資料 運営規程 
◆添付資料 参考様式3 利用者からの苦情解決措置の概要 
◆添付資料 参考様式4 勤務体制・形態一覧表 
◆添付資料 参考様式5 設備・備品等一覧表 
■添付資料 協力医療機関との契約内容がわかるもの 
▲添付資料 参考様式6実務経験証明書 
▲添付資料 参考様式7 実務経験見込証明書 
●添付資料 参考様式8 雇用証明書 
●添付資料 参考様式9 雇用確約証明書 
●添付資料 参考様式10 児童発達支援管理責任者研修受講申立書 
■添付資料 児童発達支援管理責任者研修及び
相談支援従事者初任者研修の修了証書
■添付資料 サービス管理責任者研修修了証書
■添付資料 資格証明書(看護師・社会福祉士・介護福祉士等)
●添付資料 参考様式12 指定障害児通所支援事業に指定に係る誓約書 
●添付資料 参考様式13 指定障害児入所施設に指定に係る誓約書 
添付資料 ■賃貸借契約書(賃貸物件の場合)
▲土地・建物登記簿謄本(所有物件の場合) 
■添付資料 損害賠償保険契約書
様式 事業開始届 
様式第6号 その1 障害児(通所・入所)給付費算定に係る体制等に関する届出書 
様式第6号 その2 障害児通所・入所給付費の算定に係る体制等状況一覧表 
様式第2号 変更届出書 
様式第3号 廃止・休止・再開届出書 
札幌市・北海道・日本全国対応!以下の地域の障害福祉施設の立ち上げ・開業・運営相談は初回から訪問対応可能です(札幌市中央区・札幌市北区・札幌市東区・札幌市西区・札幌市南区・札幌市白石区・札幌市厚別区・札幌市豊平区・札幌市清田区・札幌市手稲区・江別市・北広島市・恵庭市・小樽市・石狩市・千歳市)放課後等デイサービス、児童発達支援、保育所等訪問支援、自立訓練、宿泊型自立訓練、就労移行支援・就労継続支援A型、就労継続支援B型、就労定着支援、自立生活援助、共同生活援助(グループホーム)など、障害福祉サービス事業の経営・新規開業開設申請・実地指導対策はお任せください。