【開業】保育所等訪問支援事業とは?

令和6年度4月の報酬改定により、「保育所等訪問支援」事業の報酬がUPしたこともあり、児童発達支援施設、放課後等デイサービスの顧問先の方からの問い合わせも増えております。以下に、保育所労訪問支援事業のことについて記載しましたので、ご参考にご覧ください。

保育所等訪問支援事業とは?

保育所等訪問支援は、発達特性をもつ子どもの保育所や幼稚園、こども園、小・中学校、特別支援学校、放課後児童クラブなどに支援員が訪問し、集団生活への適応のために専門的な支援を行うものです。インクルージョンを推進する重要な事業として位置付けられています。

子どもが保育所等訪問支援を利用するには「通所受給者証」が必要になります。児童発達支援・放課後等デイサービスの利用者も、保育所等訪問支援を利用することができます。

訪問先は、通所して集団生活を営む保育所(幼稚園・こども園)、小・中学校(普通学級、 特別支援学級、通級学級)、高等学校、特別支援学校、放課後児童クラブなどのほか、市町村が認める施設です。

指定基準

①人員基準

児童発達支援管理責任者専ら当該事業所の職務に従事する者(指定権者により緩和あり)
管理者児発管など他の職務との兼務可
(但し、児発管及び訪問支援員を併せて兼務する場合を除く)
訪問支援員児童指導員、保育士、理学療法士、作業療法士又は心理担当職員等

②設備基準(専用の区画) 

・専用の事務室が望ましい

・他の事業と同一の事務室も可

・利用申込みの受付、相談等に対応するスペースを確保する 

給付費

給付費は1,035単位→1,071単位にUP。

さらに、訪問支援員特別加算は、1日679単位→700〜850単位にUP。

・訪問支援員特別加算(II) 700単位/日
 保育士・児童指導員、作業療法士等で障害児支援の従事経験5年以上(10年未満)の職員の配置
(保育所等訪問支援等の従事経験の場合は3年以上で可)

・訪問支援員特別加算(I) 850単位/日
 保育士・児童指導員、作業療法士等で障害児支援の従事経験10年以上の職員の配置
 (保育所等訪問支援等の従事経験の場合は5年以上で可)

関係機関との連携加算150単位。職種の異なる複数人で連携して訪問加算は200単位/月、ケアニーズ対応加算、相談加算等もあります。

訪問支援の効果・メリット

①小・中・特別支援学校などの入学時や進級時などに携わり、早期支援又は円滑な移行支援を行うことで集団生活の不適応を未然に防ぐことができます。

②不適応が生じている場合、集団生活場面に直接入り込み、不適応の要因となっている環境に直接介入できます。

③保育所等訪問支援計画(個別支援計画)を保育所や学校などと共有することで、訪問先での個別の保育・教育に関する計画との整合性がとれて、子どもの支援が効果的になります。

④保護者には把握しきれない保育所や学校などでの過ごし方が、第三者の専門的視点を持っている訪問支援員から詳しく伝えてもらうことで、子どものことが更に分かるようになります。

⑤最終的には、何よりも、子どもが集団場面で安心して生活や様々な活動に取り組みやすくなることで、達成感・満足感、自信を感じることができ、自己肯定感を高めることにつながると期待できます。

利用開始までの流れ

保護者から直接、保育所等訪問支援事業所に相談があった場合、まず障害児相談支援事業所を紹介して、支給決定のために障害児支援利用計画を作成してもらういます。

保育所等訪問支援は、以下のような流れで進むのが一般的です。

①保護者が、保育所等訪問支援事業者や市町村の窓口に相談し、障害児相談支援業者を選びます。

②障害児相談支援事業者は、訪問先に連絡・訪問し、実態把握を行い、保育所等訪問支援が必要かどうかを見定めた上、必要と判断した場合は、障害児相談支援計画の同意書・契約書・ 重要事項説明書に署名、捺印をもらいます。

③障害児相談支援事業者は、保護者と利用児同席の上でアセスメントを実施した後、保育所等訪問事業者と訪問先と事前の支援会議を開き、障害児支援利用計画(案)を作成し、市町村による支給決定を受けます。保育所等訪問支援事業所からは、児童発達支援管理責任者や訪問支援員が支援会議に参加します。

④支給決定後、受給者証が保護者のもとに届いたら、保育所等訪問を実施する事業所の児童発達支援管理者が個別支援計画書を作成し、計画に基づいて保護者に重要事項説明書の内容を説明し、契約書に署名捺印してもらった上で、保護者に支援内容を説明します。

⑤事業所、訪問先機関(保育所・学校など)、保護者が日程調整を行った上、訪問日を決める。

⑥【直接支援】訪問支援員が訪問先を訪問し、対象児の行動を観察し、集団や療育場面を把握し、集団生活への適応を目的に関わりを行う。

⑦【間接支援】対象児の担当者や訪問先に対して発達課題や支援方法を共有できるように提案し、協議します。カンファレンスとも言います。 

⑧訪問支援員は、【直接支援】と【間接支援】の内容を記録します。

⑨保護者に支援内容や子どもの様子について説明を行います。

どのような支援をするのか?

保育所等訪問支援は、保育所や学校等に訪問して、障害の子どもの集団生活における姿や行動や支援を観察したり、直接支援もします。訪問支援員は、保育士や学校教員等が、普段どのように障がいの子どもを見て、考え、どうかかわっているのか、困っていることはないかなどを丁寧に伺います。

保育士や学校教員へのアドバイスや指導というよりも、今後、どのように子どもを見るのか、その上で子どもにとって最善の環境設定や関わり方はどのようにしたら良いのかを、保育所・学校等が自律的に考えていけるよう協働支援、後方支援の立場で関わっていきます。子どもへの直接支援、保育士・教員等への間接支援合わせて1〜2時間が標準的です。

通年的な定期的な利用のほか、進級や学期の変わり目、長期休暇後、行事が控えている時期の利用も少なくありません。標準的には、2週間に1回程度の訪問頻度が多いです。現に集団生活において不適応が生じているなど緊急性の高い場合は高頻度で訪問支援するなど、柔軟に対応しています。

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