【概要】高齢者等終身サポート事業者ガイドライン

高齢化の進展や核家族化等に伴い、高齢者の方の病院への入院や介護施設等への入所の際の手続支援、日用品の買物などの日常生活の支援、葬儀や死後の財産処分などの死後事務等について、家族・親族に代わって支援する「高齢者等終身サポート事業」を行う事業者が増加しています。

今後も、高齢者等終身サポートのニーズの更なる増加が見込まれることから、適正な事業運営の確保や、利用者が安心して利用できる環境を整備していくことが必要のため、関係省庁※横断で、事業者が遵守すべき法律上の規定や留意すべき事項等を整理し、『高齢者等終身サポート事業者ガイドライン』が策定されました。
※内閣官房 身元保証等高齢者サポート調整チーム、内閣府 孤独・孤立対策推進室、金融庁、消費者庁、総務省、法務省、厚生労働省、経済産業省、国土交通省

本ガイドラインは、高齢者等終身サポート事業の運営を適正化し、利用者を保護するための指針を提供することを目的としていますが、利用者による事業者判断の目安にもなるものにもなっております。

この記事では、高齢者等終身サポート事業者ガイドラインの第1章に提示されている「概要」・「全般的な事項」をわかりやすく記載しています。なお、従前はこれらの事業は「身元保証等高齢者サポート事業」という呼ばれていましたが、「高齢者等終身サポート事業」に呼称が変更されています。

【概要】

(1)全般的な事項

  • 本ガイドラインは、事業者の適正な事業運営を確保し、高齢者等終身サポート事業の健全な発展を推進し、利用者が安心して当該事業を利用できることに資するようにすることを目的としています。
  • 本人との契約に基づき、「身元保証等サービス」及び「死後事務サービス」を事業として継続的に提供している事業者を主な対象としています。
  • サービス提供にあたっては、利用者の尊厳と自己決定を尊重。また、関連する制度等を活用しつつ、利用者の価値観等に基づく意思決定が行われるよう配慮することが重要です。

(2)契約締結にあたって留意すべき事項

  • 契約締結にあたって、事業者は、民法や消費者契約法に定められた民事ルールに従いつつ、契約内容の適正な説明(契約書・重要事項説明書を交付した説明)を行うことが重要です。また、医療・介護関係者等との連携や、推定相続人への説明など、きめ細かい対応を行うことが望ましいです。
  • 寄附・遺贈については、契約条件にすることは避けることが重要であり、遺贈を受ける場合も公正証書遺言によることが望ましいです。

(3)契約の履行にあたって留意すべき事項

  • 契約の履行にあたっては、契約に基づき適正に事務を履行するとともに、提供したサービスの時期や内容、費用等の提供記録を作成、保存、定期的な利用者への報告が重要(後見人にも情報共有が重要)。利用者から前払金(預託金)を預かる場合、運営資金等とは明確に区分して管理することが望ましい。なお、履行の際にも医療・介護関係者等との連携が重要です。
  • 利用者からの求めがあれば、利用者が契約を解除する際に必要な具体的な手順等の情報を提供する努力義務を負います。
  • 利用者の判断能力が不十分となった場合、成年後見制度の活用が必要。成年後見人等が選任された後は、契約内容についてもよく相談することが望ましいです。

(4)事業者の体制に関する留意事項

  • 利用者が安心して利用できるよう、ホームページ等を通じた情報開示、個人情報の適正な取扱い、事業継続のための対策、相談窓口の設置に取り組むことが重要です。

(1)全般的な事項

1.ガイドラインの目的と概要

高齢者等終身サポート事業の背景

高齢化や核家族化が進み、高齢者の単独世帯が増えている。高齢期に医療機関や施設への入退院、入退所などの重大なライフイベントに直面することが多く、その際に支援が必要となる。こうした背景を受けて、高齢者等の意思決定支援、身元保証、死後事務、日常生活支援などを提供する高齢者等終身サポート事業が増加している。

事業の課題と重要性

高齢者等終身サポート事業は長期契約であり、前払い費用が発生するため、契約内容の適正な履行確認が難しい。さらに、高齢者の意思能力が低下することにより、契約後にトラブルが発生するリスクも高まる。高齢者等を保護するため、事業者は民法や消費者契約法などに基づき、適正に事業運営を行う必要がある。

ガイドラインの目的

本ガイドラインの目的は、高齢者等終身サポート事業の健全な運営を確保し、利用者が安心してサービスを利用できるようにすることにある。また、事業者と利用者が簡単に確認できるように、チェックリストも提供する。

ガイドラインの対象事業者

本ガイドラインの対象事業者は、「身元保証等サービス」と「死後事務サービス」を提供し、契約に基づいてサービスを継続的に提供する事業者である。高齢者サポート事業のサービスは「身元保証等サービス」「死後事務サービス」「日常生活支援サービス」に分類されるが、弁護士、司法書士、行政書士など他の業法で規制されている業種は対象外となる。また、「日常生活支援サービス」のみや「死後事務サービス」のみを提供する事業者は対象外である。

2.サービス分類

身元保証等サービス

  1. 医療施設への入院時の連帯保証
  2. 介護施設等への入所時の連帯保証
  3. 入院・入所、退院・退所時の手続き代行
  4. 死亡または退去時の身柄引き取り
  5. 医療に関する意思決定支援
  6. 緊急連絡先の受託および緊急時対応

死後事務サービス

  1. 死亡確認および関係者への連絡
  2. 死亡診断書・火葬許可証の請求、火葬許可証の受領、死亡届申請代行
  3. 葬儀に関する事務
  4. 火葬手続き代行(火葬申込み、火葬許可証提示)
  5. 収蔵、埋蔵、永代供養の手続き代行
  6. 費用精算、病室等の整理、遺品等の整理
  7. 行政手続き代行(後期高齢者医療資格喪失届、国民健康保険資格喪失届等)
  8. ライフラインの停止手続き代行(公共料金、電話、インターネット等)
  9. 遺品処理手続き代行(遺品目録作成、相続人等への遺品引渡し)
  10. 墓地管理や墓地撤去手続き代行

日常生活支援サービス

  1. 生活支援関係
  • 通院の送迎・付添い
  • 買物の同行や購入物の配達
  • 日用品や家具の処分
  • 病院への入院や介護施設等への入所時の移動や家具の移動・処分
  • 介護保険等のサービス受給手続き代行
  1. 財産管理関係
  • 公共料金等の支払い手続き代行
  • 生活費の管理、送金
  • 不動産、動産等の財産管理や売却手続き代行
  • 預貯金取引の手続き
  • 金融商品の解約・換価・売却手続き代行
  • 重要書類の保管
  • 税金申告・納税・還付請求手続き代行

3.サービス提供における基本的な考え方

尊厳と自己決定の尊重

高齢者等終身サポート事業では、利用者の尊厳を守り、自己決定を尊重することが最も重要である。

利用者とのコミュニケーション

定期的な面談などを通じて、利用者の意思や考えを引き出し、その価値観や選好に基づいた意思決定をサポートすることが求められる。日常生活支援サービスを提供する際には、このコミュニケーションを活用して利用者との接点を深めることも大切である。

連携と役割分担

利用者の状況に応じて、事業者が提供するサービスだけでなく、関連する他の制度やサービスとの連携を図り、利用者の視点を中心に支援を行うことが望ましい。利用者の判断能力が低下している場合には、成年後見制度などの関係機関と連携し、利用者の自己決定を尊重する支援を行うことが重要である。


以下のリンク先にて、詳細に説明しています。

(2)契約締結にあたって留意すべき事項

(3)契約の履行にあたって留意すべき事項

(4)事業者の体制に関する留意事項